マットの上で体を動かす人の手足(イメージ)

Benefits

ピラティスで、
何が変わる?

写真はイメージです

姿勢、腰痛、ダイエット、睡眠……。ピラティスの効果はいろいろ言われますが、研究でどこまで分かっているのでしょう。期待できることと、言いすぎなことを分けて整理しました。

2026-10-12 更新 複数の研究をまとめた論文をもとに編集部がまとめました

How to read

この記事の読み方

ひとつの研究だけだと、たまたまの結果かもしれません。そこでこの記事では、同じテーマの研究をいくつも集めて分析した論文(システマティックレビュー・メタアナリシス)で報告されていることだけを紹介します。

ただし、ピラティスの研究は人数が少なく、期間も数週間〜数か月のものがほとんどです。「何もしなかった人と比べて」効果があったという研究が多く、ほかの運動より優れているかまでは分かっていないことも、あわせて読んでください。

Movement

体の動きへの効果

  1. POINT01

    柔軟性とバランス

    健康な人を対象にした研究のまとめでは、体の柔らかさと、動きながら姿勢を保つ力(動的バランス)がよくなったという報告が多くありました。筋持久力にも効果が見られています。ただし、研究の質は高くないとされています。

  2. POINT02

    お腹の筋持久力

    健康な人の研究を数字でまとめた分析では、週2〜3回・5〜12週間続けたグループで、お腹の筋肉を長く使い続ける力がよくなっていました。「体幹が強くなる」と言われるのは、この部分です。

  3. POINT03

    慢性の腰痛

    慢性の腰痛がある人の研究をまとめた論文(コクランレビュー)では、何もしない場合と比べて痛みや生活の支障が軽くなったという結果でした。一方で、ほかの運動と比べてピラティスのほうが優れているという、はっきりした結果は出ていません。

腰痛については、ピラティスが「ほかの運動よりよく効く」わけではなく、「体を動かす選択肢の一つとして役立つことがある」と読むのが正確です。痛みがある人は、まず医師に相談してください。

はじめるならマシン?マット?マシンピラティスとマットピラティスの違いリフォーマーって何?初心者はどっちから?三重はマシンの店が中心。

Weight

体重・体脂肪への効果

「ピラティスでやせる?」はよく聞かれる質問です。太り気味〜肥満の大人を対象にした研究11本(393人)をまとめた分析では、ピラティスをしたグループは何もしなかったグループと比べて、こんな結果でした。

結果読み方
体重平均で約2.4kg減った10週間より長く続けた研究で目立った
BMI平均で約1.2下がった体重とほぼ同じ傾向
体脂肪率平均で約4ポイント下がった研究ごとの差が大きく、確かさは低め
ウエストはっきりした差なし調べた研究が2本だけ
筋肉の量変わらなかった調べた研究は3本

研究の多くは週3回・1回50〜60分・8〜16週間ほど続けたもので、食事の指導はしていません。数か月かけて少しずつ、というのが実際のところです。

体重を減らすことが一番の目的なら、食事の見直しやウォーキングなどと組み合わせるのが現実的です。ピラティスは「姿勢を整えて、体を動かす習慣をつくる」役として取り入れると続けやすくなります。痩せたい人向けのくわしい話は「ピラティスで痩せる?」にまとめました。

Sleep & Mood

睡眠・気分への効果

  1. POINT01

    睡眠の質

    研究6本(477人)のまとめでは、睡眠の質を測るアンケートの点数がよい方向に変わっていました。ただし、対象は閉経後や産後の女性、高齢の女性などに偏っていて、睡眠薬を使う量は変わっていません。研究ごとの差もとても大きいです。

  2. POINT02

    気分・疲れ

    研究8本のまとめでは、落ち込み・不安・疲れが軽くなり、活力が上がったという結果でした。ただし、どれも少人数の研究で、著者自身も「もっとしっかりした研究が必要」と書いています。

気分の落ち込みや不眠が続くときは、運動だけでなんとかしようとせず、医療機関に相談してください。

Summary

ひと目で見る「分かっていること」

言われる効果研究のまとめでは
体幹が強くなる◯ お腹の筋持久力がよくなった(週2〜3回・5〜12週間)
体が柔らかくなる◯ 柔軟性がよくなった報告が多い(研究の質は高くない)
バランスがよくなる◯ 動的バランスがよくなった報告が多い
腰痛が楽になる△ 何もしないよりは軽くなった。ほかの運動より上かは不明
やせる△ 数か月で平均2kgほど。ウエストや筋肉量の変化ははっきりしない
よく眠れる△ よい方向の結果。ただし対象が偏っていて研究ごとの差が大きい
気分が前向きになる△ よい方向の結果。少人数の研究ばかり
部分やせ(お腹だけ等)— この記事で読んだ研究のまとめでは確かめられていない

◯は複数の研究でよい結果が多いもの、△はよい方向の結果はあるが条件つき・確かさが低めのものです。どれも「何もしなかった人と比べて」の結果です。

どのくらいの回数・期間で通えばいいかは「ピラティスは週何回?」で、三重の料金データと一緒に紹介しています。

Q&A

よくある質問

Qピラティスでお腹はへこみますか?

A体重や体脂肪が少し減ったという研究のまとめはありますが、ウエストの数値がはっきり変わったとは言えていません。姿勢が整うことで見た目がすっきりすることはありますが、「お腹だけやせる」効果は期待しすぎないほうがいいです。

Q筋肉はつきますか?

Aお腹まわりの筋肉の持久力(長く使い続ける力)がよくなったという報告があります。一方で、体重を減らす研究では筋肉の量(除脂肪量)は変わっていませんでした。筋肉を大きくしたいなら、重りを使う筋トレのほうが向いています。

Q効果はどのくらいで出ますか?

A研究の多くは週2〜3回を5〜12週間ほど続けたものです。体重の変化は10週間より長く続けた研究で目立っていました。くわしくは「ピラティスは週何回?」の記事にまとめています。

Q妊娠中や持病があってもできますか?

A体の状態によって向き不向きがあります。妊娠中の人や持病・痛みがある人は、先に医師に相談し、申し込みのときにスタジオにも伝えてください。

参考にした資料
  1. Cruz-Ferreira A, et al. A systematic review of the effects of Pilates method of exercise in healthy people. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation. 2011;92(12):2071-2081. https://doi.org/10.1016/j.apmr.2011.06.018
  2. Campos RR, et al. Effect of the Pilates method on physical conditioning of healthy subjects: a systematic review and meta-analysis. Journal of Sports Medicine and Physical Fitness. 2016;56(7-8):864-873.
  3. Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015;(7):CD010265. https://doi.org/10.1002/14651858.CD010265.pub2
  4. Wang Y, et al. Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis. Frontiers in Physiology. 2021;12:643455. https://doi.org/10.3389/fphys.2021.643455
  5. Chen Z, et al. Effect of Pilates on Sleep Quality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Frontiers in Neurology. 2020;11:158. https://doi.org/10.3389/fneur.2020.00158
  6. Fleming KM, Herring MP. The effects of pilates on mental health outcomes: A meta-analysis of controlled trials. Complementary Therapies in Medicine. 2018;37:80-95. https://doi.org/10.1016/j.ctim.2018.02.003

情報の誤りに気づいたら掲載・訂正の依頼へ。この記事は運動の一般的な情報です。持病やけががある方、妊娠中の方、痛みがある方は、始める前に医師に相談し、体験のときにインストラクターへ伝えてください。